「僕アトピーなんですよ」と話すと「えっ、そうなの?全然分からんかった」と言われる。今はそれくらいに肌の調子が良いのだけど、僕は幼少のころからずっと体のどこかしらが痒い人生を送ってきた。
生活が乱れると、背中や額、まぶたから汁や血が出るくらいに掻いてしまい「うわ、この感じで仕事行きたくないなぁ」と思う、アトピーあるあるの嫌な朝が珍しくない時期もあった。人からはアトピーだと気づかれにくいが、基本的にはいつでも肌は痒い。
良くなったり悪くなったりを繰り返す、そんな軽度アトピー性皮膚炎の僕が普段気にしている5つのことをまとめてみた。
爪を深く切る
見た目は不恰好になってしまうが、掻きこわしを防ぐためになるべくこまめに爪を深く切るようにしている。ただ爪を切るのではなく、深爪にすることと爪切りで切った断面にしっかりヤスリをかけることが大事だ。
僕の場合は寝ているときに無意識に体を掻きむしってしまうことが多いので、そうなったときにでも掻きこわしの程度を最小限に食い止める狙いがある。
▲伸びた爪。それでも一般の感覚からしたら充分短い。指先がカサカサしているのはご愛嬌。
深爪にすると指先がむず痒い感覚になるが、しばらくするとその感覚もなくなる。また爪がないことで缶を開けるときなど、日常で細かい不便は発生するが、それもすぐに慣れが解決する。
深酒しない
基本的には今でも晩酌は欠かさない。そんな酒好きの僕なのだが、酒量が増えると寝ているときの掻きこわしが酷くなるということに気がついた。
酒のせいで血行が良くなるのか、その理由は良くわからないが深酒すると炎症、掻きこわしが酷くなるのは事実なので、なるべく普段の晩酌では飲みすぎないように心がけている。
350mlの缶ビールを2本飲んだら「今日はもうやめとこう」と言いきかせる。
睡眠時間を確保する
これはその人のライフスタイルによってどこまで実現できるかわからないが、僕の場合は7〜9時間は眠るようにしている。6時間未満の睡眠だと、翌日の日中に明らかに肌の調子が悪くなる。理由はわからないが、睡眠不足だと肌に不調感が出てくるのは事実なので、気をつけるようにしている。
それと眠る前にテレビを見たり、スマホ、パソコンをいじっていると目がチカチカとその不快な刺激でストレスを感じるようになった。年齢の問題なのか。刺激やストレスの表出がアトピーだと言う人もいるので、このあたりも今後は気をつけたいところ。
朝夕に1日2度シャワーを浴びる
朝仕事に行く前と、夕方仕事から帰ってきてからの2回シャワーを浴びることにしている。頭皮、顔、首周り、脇の下、股間、足の指先あたりの不潔になりがちな箇所は手抜きしないが、その他の部分はあまり丁寧に洗い過ぎないようにしている。ゴシゴシと洗いすぎるのは肌に良くない。多少大雑把なくらい、さっと汗を流すくらいでちょうどいい。
日に1度しっかり洗うより、こまめにさっと汗を流す方が肌の調子が良い。
そして基本的に髪の毛も顔も体も固形の石けんしか使わない。シャンプーやリンス、ポディーソープは体にまとわりつくヌルヌル感が肌に合わない。
それと、例えば仕事終わりに「今日はよく働いた。飲みに行こう!」となって、夕方にシャワーを浴びることができないときは、濡れタオルで顔、首回りなど痒くなりやすい部分を拭いて、保湿剤や弱ステロイド剤を塗りなおすようにしている。
もしかすると、肌を12時間以上放置しないことが大事なのかもしれない。
アトピーを受け入れる、そして完璧な肌を目指さない
皆さんもさんざん言われてきたことだと思うのだが、皮膚科の先生は「アトピーとうまく付き合っていきましょう」と、そう言う。
人間なので肌のために完璧に生きることは不可能だし、ちょっと気を抜いたときに肌の状態が酷くなってしまうこともあるだろう。そうなった時に「あーあ、やってしまった。またゆっくり治していこう」と大らかになれるかどうかも大事なポイントだ。そういう風にそれぞれの患者がこのアトピー性皮膚炎の見た目についてのコンプレックスを昇華して、余計なストレスを解消していくことが肝要だと思っている。
僕は男だし、アトピーの程度も軽い方なので数年前から多少の肌荒れくらいでは落ち込むこともなくなったけど、そんな価値観に変わってからのほうが肌の調子が安定してくる不思議さがある。
とはいえ人それぞれって側面が大きい気がする
以上が「軽度アトピー性皮膚炎の僕が皮膚の炎症コントロールのために意識している5つのこと」なのだが、そうとはいえアトピー対策は人それぞれって側面も大きい。普段の生活と肌の調子を見て、少しずつ生活を修正していく地道な努力がアトピーと付き合う上でとても大事で、これをしたらすぐに肌がきれいになるというような特効的な秘技は存在しない。
アトピーは基本、アレルギー体質と肌のバリア機能の両方に問題があるので発症する。肌を掻きこわすと、当然肌のバリア機能は低下し、より激しい炎症に見舞われることとなる。
なので、僕の場合は「掻きこわしを防ぐ」と「痒みを軽減させる」の2点に注目してアトピーをコントロールしてきた。痒みの強いときはステロイド材も使うし、内服薬も飲むようにしている。対処療法でしかないが、対処するしかないのだ。
「これ食べたら痒み増したな」「ここ最近調子いいな。仕事楽だからかな?」のような、肌の少しの変化を見逃さず、自分に合った生活改善によるアトピー対策をひとつひとつ発見していくのが良好な肌を維持する1番のポイントだと考えている。
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